正社員として入社したものの、「雑用ばかりで仕事を任されない」と不満に思っている方もいるでしょう。雑用ばかりで重要な案件を任されないと、不安な気持ちになるものです。
しかし、雑用は本当に不必要なものなのでしょうか。
これから若手社員が雑用を任される理由や雑用をつまらないと感じてしまう理由をご紹介します。
また、雑用で得られるスキルや今後の対策方法もご紹介しますので、参考にしてみてください。
何故、若手社員が雑用をしているのか?
雑用は、正社員であっても若手社員が行う場合が多いです。
現在は雑用をしていない上司も、若手の頃は雑用をしていました。また、若手社員が雑用をするという伝統や雰囲気もあるでしょう。
会社によっては、年功序列で役職や業務の割り振りをしています。つまり、会社の環境によっては、若手社員が雑用をしなくてはならないのです。
さらに、社員一人一人が自分の仕事をこなせていないと、若手社員が雑用をする可能性があります。
「自分の仕事・雑用は自分で行う」という方針がない会社も多く、仕事が終わらない時には、若手社員がサポートする形で雑用をしているのです。
ただし、仕事を覚えていく中で、雑用も重要な業務と考えられています。
業務の指示をする人が「雑用も仕事の一つ」という方針だと、若手社員に多くの雑用を回すでしょう。そして、雑用をする人がいないと、スムーズに仕事は進みません。
雑用はビジネススキルを身に付ける上で必要な行為と認識している人も多く、若手社員に任せるのが一般的ととらえられています。
雑用をつまらないと感じてしまう理由とは?
雑用ばかりでつまらないと感じるのは、雑用が評価されにくいからです。
雑用をしても、上司や周りのサポートをしているだけで、自分の成果にはなりません。
また、一緒に仕事をしていると実感しにくいです。そして、自分の能力が無駄になる業務をしているのではないかと、落ち込んでしまいます。
さらに、意欲のある若手社員ほど、やりたい業務や目標があり、それができないとつまらないと感じてしまうのです。
特に、雑用は「誰でもできる仕事」と思っている場合は、「何故、自分がしなくてはならないのか」「自分はもっとやるべきことがある」と思ってしまいます。
雑用で身に付くスキルとは?
雑用をしていると、さまざまなスキルが身に付きます。
例えば、上司に雑用を頼まれた後、「頼まれた仕事が終わりました」「これは、どのように行えばいいのでしょうか」など、報告や相談をする場合があります。
仕事をする上で、上司や同僚との「報告」「連絡」「相談」は大切です。ビジネススキルや知識がない状態だと、報告と連絡・相談ができる環境や癖がないままになってしまいます。
よって、雑用を通して上手に周りの人と連携できる体制作りをするといいのです。また、時間や規則を守るスキルも身に付きます。
雑用でも決められた時間内に仕上げることを意識すると、効率的に仕事ができるでしょう。
コミュニケーション能力も雑用で上げられるスキルの一つです。雑用の内容には、電話対応やアポイント取りなどがあります。
多くの人と話す機会を作ると、コミュニケーション能力は上がっていくでしょう。相手との距離感や敬語の使い方・挨拶の方法など、さまざまなビジネススキルが身に付きます。
雑用ばかりしている時の解決方法
雑用には意味があるとはいえ、ずっと雑用だと不安になってしまいますよね。そんな時、どう解決をすればいいのか。おすすめの解決策を紹介します。
1「自分の目標を考え、上司に伝える」
自分のやりたい仕事や目標がある時には、上司に伝えてみます。例えば、「商談に挑戦したい」「自分の企画書を作成したい」など、具体的な目標を伝えることが大切です。
今まで雑用ばかりであっても、今後の目標を伝えると、上司がそれに合わせた仕事を割り振ってくれます。雑用は続く可能性もありますが、少しでも自分のやりたい仕事へ近づけるでしょう。
「次の企画書は任せてみよう」となれば、上司がサポートに回り、雑用をしてくれる場合もあります。
今後のキャリアプランや数年後までに身に付けたいスキルを考え、それを直属の上司だけでなく、人事部の面談で伝えるのも手段です。
意欲を伝えると、「もっと仕事を任せてみよう」「目標に近い部署へ異動させよう」となります。そして、環境が変わると、雑用以外も任せてもらえるのです。
そのためには、自分の目標や持っているスキルを明確にすると共に、足りない知識やスキルを把握するといいでしょう。足りない部分を強化したいと上司に伝えると、それに合わせた指導や業務の振り分けをしてくれます。
2「きっぱりと断る」
雑用ばかりしていることに不満を感じる場合は、きっぱりと断るという方法もあります。
ただし、自分にもやらないといけない仕事があり、忙しいという場合は、断ってもいいでしょう。雑用を嫌だと感じていて、やることもないのに断るのは、上司からの評価が下がってしまうため、注意が必要です。
よって、断る時の業務量や雰囲気は重要になるでしょう。若手社員で雑用を任されやすい人は、「断れない人」「話しやすい人」などです。一度断ってみると、上司が雑用を頼もうとした時、考え直すこともあります。
どのような雑用でも引き受けていると、「都合のいい人」と認識される場合があります。よって、雑用の内容を吟味し、引き受けるか否かを決めることも大切です。
上司のサポートとして、書類整理やデータ入力をするのは、必要な仕事になります。ただし、「飲み物や食事を買ってきて」「ゴミを捨ててきて」は、本来はその人自身が行うことです。
そのような種類の雑用は、断っていきます。新入社員の頃は、上司のサポートとして、さまざまな雑用をしていくのが一般的です。しかし、雑用の内容によっては、徐々に断っていくといいでしょう。
3「転職を検討する」
上司に相談したり断ったりしても環境が変わらない時には、転職を検討するのも一つの手段です。希望の仕事ができそうな企業があれば、そこに挑戦してみるのもいいでしょう。
ただし、実績を残していない状態で転職しても、不利になってしまいます。また、転職の面接で退職理由を聞かれた時、「雑用ばかりで嫌になった」とは言えません。
転職しても「すぐに辞めるのではないか」と判断されてしまうからです。そして、転職先でも雑用を任される可能性もあります。雑用が嫌で転職する人もいますが、その時には明確な目標と大きな覚悟で挑むといいでしょう。
雑用も大切な仕事の一つと姿勢が必要!
雑用をつまらないと感じてしまう時には、考え方を変えることが必要です。雑用も大切な仕事として考えるといいでしょう。
雑用をしているうちに、さまざまな業務やスキルが身に付く場合もあります。そして、どの雑用も前向きに変換すると、業務が楽しくなるのです。
例えば、備品の交換や修理は、誰かがしておかないと、使用する人が困ってしまいます。困る人を少しでも減らしたいと前向きな気持ちで行うと、雑用も嫌にならないのです。
また、データ入力は「書類を作成する上で必要な業務」、シュレッダーは「大切な情報を漏らさないための業務」と前向きに考えるといいでしょう。
雑用をしている姿は、多くの人が見ています。雑用でも責任感を持って取り組む姿や丁寧に作業する姿は、見ている人の記憶に残るのです。
よって、ビジネスとしての成果や評価はなくても、上司や同僚からの人物的な評価に繋がります。そして、人物的な評価がいいと、今後任せられる仕事の内容や質にも、関わってくるのです。
また、「雑用を任せられるだけいい」と前向きに考えている人もいます。雑用も肯定的にとらえて行うと、仕事が楽しくなったり、今後の目標が見つかったりする場合が多いです。
雑用をつまらないと思わず、前向きな姿勢で取り組もう!
雑用を否定的に思ってしまう場合もありますが、前向きな姿勢で取り組んでいると、上司達はしっかりとその姿を見ています。そして、人間的な評価にも繋がり、大きな仕事を任せられることもあるでしょう。
雑用ばかり任せられる時には、上司へ今後の目標を伝えると、状況が改善されるかもしれません。また、引き受ける雑用を見直すのもいいでしょう。
これを参考に、雑用に対する意識改革や今後の目標設定をしてみてください。