学歴社会と言われる日本では、高学歴は就職において大きな武器となり得ます。
しかし、鳴り物入りで入社したものの、仕事が出来ず悩む人も少なくありません。
知識豊富で優秀な人材が、なぜ仕事は出来ないのでしょうか?
この記事では、高学歴でも仕事が出来ない原因、そして悩みに陥った際の解決策などについて紹介していきます。
「勉強ができる」と「仕事ができる」は違う
良い会社に入るには良い大学に入るのが一番と、子供の頃から教えられてきた人も多いかもしれません。
実際、偏差値の高い大学を出身した人は就職にも有利になります。高学歴の学生が就活の場において有利になるのは、大学に入るまでの努力を企業側が評価するからです。
そもそも難関大学に入るのは相当な勉強量が必要で、1日2日の努力で何とかなるものでもありません。
毎日の積み重ね無しでは得られる成果ではなく、難関大学を卒業した人=就職した後も努力出来る人というイメージが出来上がっているのです。
しかし、勉強ができるからといって、仕事もできるとは限りません。
もちろん期待通りに力を発揮する人もいますが、全ての人が該当する訳ではないのです。「勉強ができる」=「仕事ができる」とならないのは、学生と社会人では求められるものが違うためです。
学生は学校にとってお客さんの立場であり、決められた通りに勉強して良い点が取れると高い評価を受けます。一方、社会人となると立場は逆となり、自分がサービスを提供する身となります。
言われた通り、決められた通りに動いているだけではお金を生み出せる戦力と考えてもらえません。
学生と社会人は「受け身」か「能動」かの違いがあり、自ら考えて行動していかなければ周りから評価を得られないのです。
高学歴なのに仕事ができない人の特徴
高学歴なのに仕事できない人には、ある一定の特徴があります。
1.思考力がない
頭の良い人は思考力があるイメージが強いですが、インプット中心で勉強してきた人は自分で考え抜く力がありません。
学生時代の勉強は、例えば英語であれば単語や文法を暗記して英文を読めるようにする、数学であれば問題を繰り返し解いてパターンを理解すれば、ある程度の問題が解けるようになります。つまり元々存在する知識をひたすら頭に入れていけば、難関大学への入学も夢では無いのです。
一方、社会人は答えのない問題に度々直面します。自分の頭で考え、最良な答えを導き出せなければ前進せず、何の成果も得られません。仕事における課題の解決にはインプット型の知識がほとんど役に立たず、考える力が無い人は苦労する傾向にあります。
2.プライドが高い
プライドが高すぎるのも、時に仕事の邪魔になります。
自分の持っている知識が正しいと思い込んでいる人は、他人の意見や助言を聞き入れません。もちろん全て人の言いなりになる必要はありませんが、他の人の意見が圧倒的に正しいケースもあり、もし正しい意見を無視して自分の考えを押し通してしまうと、結果的に仕事も失敗する事になります。
知識ばかり豊富でも、勉強してきた得た知識が仕事上で活かされるとは限りません。実際にやってみない事には成功か失敗かわからず、まともに行動せず口先ばかりだけ達者な人は同僚からも敬遠されます。
また自分より学歴が低い社員を見下すような人も周りから嫌われます。どれだけ頭が切れる人であっても、周りから協力を得られなければ仕事の成果も出せません。
3.要領が悪い
仕事が出来る=要領が良いとも言えます。
要領の良さは天性のものと言われますが、色々な経験をして失敗と改善を重ねていくうちに培われていくものでもあります。例えば学生時代から部活動やアルバイトに勤しんできた人は、限られた時間を有効活用する術を知っています。自然と要領の良さが身に付いていき、会社でも重宝される存在となるのです。
一方、学生時代に勉強1本で頑張ってきた人は勉強さえ出来れば良しとして過ごしてきたため、勉強以外の能力が不足している傾向にあります。
要領が悪いと何事にも一歩出遅れてしまい、仕事ができない人のイメージがついてしまうのです。
4.コミュニケーション能力がない
「要領が悪い」と同じく、勉強ばかりしてきた人に見られがちな特徴です。
勉強さえ出来れば良いと、学生時代にまともにクラスメートや先輩後輩と会話をしてこなかった人はコミュニケーション能力が乏しいです。
極端に言えば、学生生活は一言も発さず一日を終わらせる事も可能だった訳ですが、社会の場では通用しません。職場によっては人との会話が少ない現場もありますが、会社という組織に属して仕事をしていく上ではコミュニケーションが欠かせないのです。
コミュニケーション能力がなければ、下請けや得意先と良い繋がりが持てないどころか、同僚とも関係が築けずに職場で孤立してしまいます。
仕事ができない時の解決策
高学歴でありながら仕事できないレッテルを貼られると、どれだけメンタルの強い人でもつらい状況に追い込まれます。特に勉強が出来るから仕事も出来ると思い込んできた人にとっては、このつらい立場を直視出来ないかもしれません。しかし何も行動せずに毎日を過ごしていても、周りが自分の状況を変えてくれる訳ではないのです。自分自身で状況を打開していくしか方法はありません。
1.プライドを捨てる
心のどこかに「自分は学歴が高いのに」という思いを持っている間は、まだ周りを見下している状態です。
高学歴が優位に働くのは新卒時の就職活動の時だけで、社会は学歴で人を評価していません。
どれだけ偏差値の高い有名大学を卒業していたとしても、あくまでも自分の出身校という捉え方をしておくのが賢明です。会社の中では自分は一番下の存在と思えば、わからない事も素直に上司や先輩に相談出来るようになります。
積極的に話を聞いてくる後輩・部下に悪い気はしません。プライドを捨てた事で社内の人間関係が円滑になり、自分が仕事をしやすいよう周りもサポートしてくれるようになります。
2.活躍出来るポジションを見つける
何か人に差をつける資格を持つのも一つの方法です。
仕事内容と直接関係なくても、職場で活かせる資格であれば重宝されるかもしれません。例えばセキュリティ関連の資格を持っておくと、社内のセキュリティで何かしらの問題が発生した時に自分の知識が活かせます。セキュリティ対策をしている人材がいない、または足りない職場であれば、いつしか頼られる存在となります。
得意分野があると同僚に知ってもらうと、仕事ができない人のイメージも覆せるかもしれません。
3.自分の向いている職場に転職する
仕事に対して嫌気がさしており、努力してみても無理と感じるならば、思い切って転職してみても良いかもしれません。
就活時は誰もが知っている大企業で活躍したいと思っていても、夢破れて転職を考える頃には、企業の規模には特にこだわりを持っていないものです。職場が変わればフレッシュな気持ちで仕事に臨む事ができ、また二度と失敗しないよう自分の欠点も改めることが出来ます。
ちなみに自分の向いている職場とは、仕事内容や職場の雰囲気を基準に考えます。例えば営業活動が苦手であれば、コツコツと地道に作業が出来るWeb業界へ飛び込むもよし、実力主義で常に競争を求めている職場が合わないと思うなら、年功序列を導入している企業を探してみるのも方法の一つです。
過去の努力が無駄にならないよう新たな努力をしよう
高学歴という肩書は、間違いなく努力をしてきた結果得られたものです。
しかし社会に出ると、高学歴が仕事の邪魔となるケースもあります。自信を持って社会に出たものの、自分の力が通用しないという問題に直面した際は、どのようにすれば気持ち良く仕事が出来るようになるか考えていかなければいけません。
過去の努力を無駄にしないためにも、もうひと踏ん張りの努力が必要となるのです。