大企業に就職しても、成長していることが実感できない方もいるでしょう。成長の基準は人それぞれですが、実感できないと意欲も下がってしまいます。
大企業で成長していることが実感できないのは、なぜなのでしょうか。
これから、成長できない原因と対策方法をご紹介します。
大企業で成長できないと感じる3つの理由
大企業で仕事をしている人が「成長できない」と感じてしまう際のよくある3つの理由を紹介します。
1「業務がシステム化している」
大企業では、業務の内容や流れをシステム化していることが特徴です。
仕事の進め方が決まっているため、異なる支店にいても、同じ業務ができます。業務のシステム化は、「生産性が高い」「新人教育がしやすい」などがメリットです。
しかし、決められた仕事を進めていくため、成長できないと感じる人もいます。また、大企業では、生産や広報などを外注することが多いです。
アウトソース先に任せていると、大企業に勤めている人のスキルは上がらないままになってしまいます。勤務年数だけが上がり、知識やノウハウはないという状態もあるのです。
2「案件を始めるまでの期間が長い」
大企業では新しいアイデアや意見を言った場合、上司や経営陣の許可が下りないと、企画を実現できません。
1つの案件を始める際、最初に課長や部長などの上司が確認します。そして、経営陣などの上層部も確認して、許可をもらわないといけないのです。
すぐに取り組めない場合、もどかしさを感じて、成長できないと思うこともあるでしょう。
自信を持って作った企画書でも、「企業イメージと異なる」「予算が足りない」など、さまざまな問題で却下されてしまい、モチベーションが下がる人もいます。
3「上司のサポート業務が多い」
大企業では、上司からの指示に従い、業務をする場合が多いです。上司とペアを組み、仕事を教えてもらいながら進めていくこともあるでしょう。
最初の頃は、自分の意見を言えないまま、与えられた業務をこなしていきます。また、個人の担当業務はもらえず、上司のサポート業務ばかりしている人もいるのです。よって、それらの仕事だけでは、成長していると実感できない可能性があります。
また、大企業では部署数が多く、自分が希望する部署へ配置されるとは限りません。「本当にやりたいことではない」と思って仕事をしていると、成長を実感できないのです。
大企業における成長の基準とは?
そもそも、大企業で働く上での「成長」とは、社内の仕事をうまく回せるようになることです。
指示に従い、問題なく業務を進めていくことが大切とされています。例えば、自社製品やサービスについての知識を深めたり、取引先と上手にコミュニケーションがとれたりできるといいでしょう。
そして、社内人脈を豊富にして、円滑に仕事を進めていけると、上司から「成長している」と評価されます。
スキルアップのサポートを上手に活用することがコツ
大企業では、社員のスキルアップを目的とした社内研修や社外研修への補助などが充実しています。サポート体制を整えているため、それを有効活用して、自分自身のスキルアップを目指すことが大切です。
また、メンター制度を実施している企業もあり、分からないところを質問できる環境が整っています。講習会に参加する時の費用補助など、費用面でのサポートも充実しているでしょう。
これらの補助は大企業ならではの特徴で、中小企業やベンチャー企業では費用補助が少ない可能性もあります。大企業で働いている間に、サポートを活用してさまざまなスキルを取得すると良いでしょう。
成長を実感できない時にやるべき5つの具体的対策
1「大企業で身に付けられるスキルを高める」
大企業でも業務を進める上で身に付くスキルがあります。まずは、そのスキルを高めていき、自社内で活躍できる人になれるといいでしょう。
自社内評価が高くなると、業務量が増えていきます。そして、任される業務の質も高くなるのです。
例えば、「書類作成能力」「プレゼンテーション能力」などは、日々の業務で身に付いていきます。大企業の場合、最終的に経営陣が納得できるレベルの書類やプレゼンテーションをしなくてはなりません。
上司が何度も確認をして、直す行為を繰り返します。結果的に、書類作成能力やプレゼンテーション能力が上がっていくのです。
大企業が進めるプロジェクトは、大人数が関わっています。それぞれの業務を振り分けたり、進捗状況を把握したりするため、マネジメント力が身に付きやすいです。
また、関連会社や子会社・外注先など、さまざまな人と関わります。円滑に連絡し合える関係構築が必要で、コミュニケーション能力も高くなっていくのです。
2「海外勤務など新しい目標を見つける」
成長を実感できない時は、新しい目標を見つけてみるといいでしょう。
例えば、海外勤務などです。海外勤務をすると、役職も上がりやすく、数年後を想定した新しい目標にもなります。そして、自分自身のスキルアップにもなり、やりがいを感じやすいのです。海外勤務の場合、現在とは異なる経験ができます。地域によって異なる業務をする場合もあり、新しい能力を伸ばすチャンスです。
また、異文化への対応能力や外国人とのコミュニケーション能力など、さまざまなスキルが身に付きます。
海外勤務を目標にした場合、その地域の言語を習得することが必要です。語学学習だけでなく、その国の慣習など、さまざまな情報取得が必要になります。それらの勉強を進めていくうちに、成長していると実感できるのです。
また、海外勤務を目標にした学習は、自社内だけでなく、他の企業やプライベートでも役立ちます。よって、勉強に対するモチベーションも上がりやすいでしょう。
3「ポータブルスキルの取得を目指す」
自社内でのスキルが上がったら、ポータブルスキルを高める努力をすることも大切です。
仕事で取得するスキルには、自社内で通用するスキルだけでなく、どの企業でも通用するポータブルスキルがあります。キャリアアップを想定した場合、ポータブルスキルがある人は転職でも有利になるでしょう。
自社内で通用するスキルとは、社内システムを使った業務が円滑にできることです。一方、ポータブルスキルとは、コミュニケーション能力や商談スキル・マネジメントスキルなどになります。
ポータブルスキルを身に付けるためには、日々の仕事でポータブルスキルに該当するものを探します。そして、その業務をする時間を増やしていくといいでしょう。
また、業務時間外でもポータブルスキルは身に付きます。職種別のコミュニティサークルなどに参加し、社外の人から話を聞くのも手段です。ビジネスパーソン向けサークルや研修に参加し、自分に必要なスキルを身に付けていきます。
4「部署の異動希望をする」
部署の異動を希望することも1つの選択肢です。現在の仕事内容では満足できない場合、やりたかった仕事ができる部署へ異動希望を出してみましょう。
例えば、語学力に自信がある場合は「海外事業部へ異動したい」、開発がしたい場合は「製品開発部へ異動したい」などの希望を伝えると、スキルやポテンシャルを見込んで、異動になることもあります。
異動ができなかった場合は、直属の上司と交渉し、業務量を増やしてもらうのもいいでしょう。業務が増えると、新しい発見やスキル取得をする機会が増え、成長していると実感できます。
5「転職を検討する」
大企業での成長に見込みを感じなくなったら、転職を検討するのも手段です。
自分のやりたい業務ができる企業へ転職します。その際には、転職理由や目標を明確にして、それを叶えられる企業へ転職することが大切です。
例えば、「新しい商品やサービスを開発していきたい」という目標なら、ベンチャー企業に挑戦するのもいいでしょう。
転職だけでなく、起業する人もいます。自分にとって本当にやりたいことを振り返ってみることも大切です。
自分にとって必要な成長を目指しましょう
成長を実感できなくても、仕事に対する意欲によって、成長できるか否かが変わってきます。
大企業ではスキルアップに関するサポート制度も多く、積極的にスキルアップを目指してみるといいでしょう。
また、ポータブルスキルを意識することで、社外でも通用するスキルが身に付きます。
成長できないと悩んでいる時は、まずは成長できるようになる「機会」を探してみて下さい。